「はやり風用心」
 
「はやり風用心」
 
「はやり風用心」/明治23年(1890) 40x76cm
明治23年から翌年にかけて、世界的なインフルエンザの大流行が日本に及んだ。当時、この感冒が「お染久松風」と俗称されたのは、「必ず友を誘引する」伝染力の強さのためである。医者、薬屋、按摩が大繁盛する一方、銭湯や散髪屋に閑古鳥(かんこどり)を描き、迷信を批判し、医学的知識を啓蒙している。 奥医師の伊東玄朴がドイツの内科書を翻訳して、『医療正始』[天保6年(1835)]の名で刊行した中に、インフルエンザに印弗魯英徹という5字の漢字をあてている。 これが我が国でインフルエンザの病名が活字になった初めである。
E22493:くすり博物館収蔵資料集(4) はやり病の錦絵 P.118
 
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